ライディングポジション
バイクを思い通りに操るためには、ライディングポジションが非常に大切です。
体に余計な力が掛からず、必要な時に、必要な箇所へ、必要な量の入力が出来るようにするためには、まず着座位置を決めることから始めます。
下の写真では、極端な前寄りの位置と、極端な後ろ寄りの位置に座っています。シートに適切に荷重(体重を載せること)するためには、骨盤の角度を垂直にしてその上に背骨を乗せ、さらにその上に頭を乗せるようにする必要があるのですが、そのためには着座位置が前過ぎても後ろ過ぎてもいけません。
骨盤が垂直になるポジションを見つけるためには、まず土踏まずでステップの上にまっすぐ立ちます。そこからゆっくりお尻を下ろしていってシートにお尻が触れた位置、それが基準になります。
着座位置を見つけたら、スッとグリップに手を伸ばします。肩の力を抜き、軽くグリップに手を置くぐらいの気持ちでそっと握ります。グリップは小指の力を中心に握るようにし、他の指は補助的に使うぐらいの感覚がちょうどいいです。これは、バイクのセルフステア(バイクのバランスをとるために、ステアリングが自然と切れる作用)を機能させるためにとても大切なことです。
ハンドルが低くなっているバイクの場合には、手のひらや腕で体を支えたくなりますが、腕が突っ張ってしまうとセルフステアの働きを阻害してしまいますので、背筋を使って体を支えるようにしてください。
そして、セルフステアを活かすためにもう一つ重要なのが、レバーを握る指の本数です。これはブレーキ、クラッチとも人差し指と中指を使って握る二本がけがベストです。
四本がけや、人差し指と親指でグリップ握る三本がけ(OKグリップ)では、レバーを握るのに小指を使うことになります。小指を使ってレバーを握ろうとすると、腕の外側の筋が張ってしまい肘が上がって肩がすくんでしまうのです。こうなると、ブレーキングの後の倒し込みの場面で一瞬、腕が突っ張ってしまい、やはりセルフステアを阻害してしまいます。
二本がけは、三本がけ・四本がけよりもレバーを遠目に調整する必要がありますが(小指と薬指を挟むのでレバーが引ききれないため)、慣れれば操縦性が格段に上がりますのでぜひ挑戦してみてください。
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