バイクの特性による違い
コーナリングのための各操作は、どんなタイプのバイクにも共通するものなのですが、《車重》や《重心の高さ》により”コーナーでの軽快さ”と、それに反する”直進安定性”(ここでは、これら二つを合わせて『バイクの寝かせやすさ』と表現しています)に差があるため、練習に入る前に自分のバイクの特性を把握しておくのが良いと思います。
バイクの寝かせやすさは、車重が[軽い]または重心が[高い]ほど寝やすく、車重が[重い]または重心が[低い]ほど寝にくくなります。(※)
コーナーで軽快 | 直進安定性が強くなる | |
【車重】 | 軽い | 重い |
【重心の位置】 | 高い | 低い |
これは30年前から乗っているメイト90です。
こちらは今年購入したXJR1300です。ただし、年式は1999年式なので20年以上前のモデルです。
この二台は、どちらも重心が低いという点では寝かせにくい特性だと言えます。ですが、メイト90は車重が軽いのでその分軽い力で寝かせる事ができます。(原付のスクーターと同じだと思ってもらうとわかりやすいかもしれません)
XJR1300 は重心が低いことに加えて、車重も重いために直進安定性がとても強く、一番寝かせにくい種類のバイクであると言えます。 これが最近のビッグネイキッド(ネオクラシカル)になると重量は重くても、重心位置が高く設定されているため、軽い入力で寝かせることができるようになっています。
寝かせにくいバイクは、寝かせるための各操作を総動員しなければいけません。一方、寝かせやすいバイクは、全ての操作を使わなくても寝かせることができるので、むしろどの操作を使うのか取捨選択することも必要になってきます。(寝かせやすいバイクで操作を総動員してしまうと動きがクイックになりすぎ、かえってバイクの挙動を乱してしまうことになります)
ちなみにアメリカンタイプ(クルーザー)のように特殊なバランス(低重心・着座位置が後寄りでステップが前方にある・キャスター角[フロントフォークの角度]が寝ている)のバイクでも、曲がるための原理は同じなので、これから説明する各操作を使うことができます。(ですが、若干アレンジが必要になる場合もありますので注意してください)
ご自分のバイクはどのような特性なのか、今一度よく考えてみてから練習に取り組んでください。
※直進安定性等に関わる要素として、他にもホイールベース・キャスター角・トレール・ホイール径などがありますが、できるだけ簡単に説明するためこのサイトでは割愛させていただいています。
- 正しいフォームって?
- バイクの特性による違い
- ライディングポジション
- ブレーキング
- ステップ荷重
- スロットルワーク
- ニーグリップについて
- フェイントステア
- 目線と走行ライン
- 腹式呼吸と平常心
- タンデムランのコツ
- 暖機運転とストレッチ
- ブレーキの引きずり(2020年11月20日 追記)
- 走行ノート(2020年11月30日 追記)
- 精神のコントロール(2020年12月4日 追記)
- 尻荷重(2021年1月19日 追記)