タンデムランのコツ

現在では高速道路もタンデムランが可能となり、友人や彼女、奥さんやお子さんを後ろに乗せて走る姿などもよく見られるようになりました。

ですが、タンデムランというのは、通常のライディングよりもはるかに難易度が上がります。

タンデムランで一番危険なのは、発進時や急ブレーキの時です。

運転するライダーは、自分が操作しているので次にバイクがどう動くかが分かっていますが、後ろに乗るライダーはバイクの動きに対する反応が必ず遅れてしまいます。

タンデムランでは、後ろに乗っているライダーに情報を伝えることがなにより大切です。

最近ではインカムを使用するライダーが多くなってきましたが、タンデムランの時にこそ、最も必要な装備だと言えます。信号待ちから発進をする前、交差点や一旦停止で止まる前、また前方の路面に段差を発見したときや、コーナー手前で減速を始める前など、できる限りの情報を事前に伝えていくことで、後ろに乗るライダーもバイクの次の挙動に備えることができます。タンデムランの時は、二人の協力によって、より安定したコーナリングを実現することができます。

後ろに乗せている人は、あなたにとってとても大切な人であることが多いと思います。自分の装備だけでなく、タンデムライダーの装備にも注意してあげてください。万一転倒した場合は、自分自身と同じか、それ以上のダメージを負うはずです。ヘルメットとグローブ、長袖と長ズボン(できれば防護パッドを備えたもの)、靴はくるぶしまでガードしている頑丈なタイプのものを勧めてあげてください。バイクに乗り慣れていない同乗者は、暑さや寒さに関してもバイク独特の感覚が分からないと思うので適切なアドバイスをしてあげましょう。できれば操縦するライダーと同等の装備が望ましいです。

BikeJIN(培倶人)2020年10月号に掲載されました

最近のバイクは、タンデムシートが薄かったり、座面が小さくて固かったり、しっかりとしたグラブバーを備えていない等、ややタンデムには不向きなタイプのものが増えてきました。特にグラブバーの無いバイクでは、タンデムライダーは驚くほどに掴まる場所が無く、困惑してしまうでしょう。こんなときは、前のライダーに掴まる以外に無いわけですが、腰に手を回すには遠すぎる場合も多いため、ポケットの部分やジャケットの脇腹付近をギュッと掴むしかありません。これでは不安定になり怖いですし、また握力もすぐ限界になってしまい楽しむどころではありません。最近では写真のように、ライダーがお腹に装着するタンデム用の取っ手もありますので、安全と安心のためにもぜひ購入を検討してください。

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