正しいフォームって?


バイクに乗る時、一番正しいフォームってどれでしょうか?

『教習所で教わったリーンウィズ?それともリーンイン?リーンアウト?』

『レーシングライダーが使っているハングオフがやっぱり一番優れている?』

じつはバイクは『どんなフォームでも』許容してくれます。

どれが正しいという事もべつにありません。でも『この時にはこのフォームが適している』というのはあります。ですので、状況に応じて使い分けられるように一通り練習をしておく方が良いと思います。バイクに乗るために一番大事なのは乗り方の “引き出し” を増やすことです。

「フォームがどれでもいいのなら、一番初歩的なリーンウィズの話なんてもういいのでは?」

そう思われるかもしれません。

でも、リーンウィズが役に立つ状況というのが少なくとも3つあります。

ひとつ目は、二人乗りをする時です。タンデムランの際には、ライダーの左右の動きが制限されます。一人乗りの時と同じようにライダーが自由に大きく動くと、後ろに乗っている人はとても怖い思いをします。つまり、リーンウィズでのライディングを強いられることになります。

ふたつ目は『二輪車安全運転全国大会』のように競技規則によってリーンウィズで乗る事が定められている場合です。この大会は、ジムカーナのようなコースを走ったりスラローム走行なども行うのですが、採点基準に《乗車姿勢》という項目があって正しいリーンウィズの姿勢で乗らないと減点されてしまいます。

3つ目は、リターンライダーがライディングテクニックを再構築しようとする時です。若いときは身体能力と勢いでなんとなく乗れていたけれど、長い年月を経てライダーに復帰し、いざバイクに乗ってみると、なんだか動きがギコチナイ、体の反応も悪くなっていて思い通りに走れない、、、そんな経験があると思います。

バイクはアクセルを開ければ走る、ブレーキを握れば止まるというような単純な乗り物ではありません。バイクの持つ特性を頭でよく理解してから、実際の操作をひとつひとつ習得していくことが必要な乗り物です。その過程では、体の重心をあまり大きく動かすことなく、繊細な操作に集中することができるリーンウィズでの練習が有効です。

このように、タンデムライダーやリターンライダーの強い味方となってくれるだけでなく、速く走れる要素をも十分に兼ね備えているのがリーンウィズというフォームです。しかし、これまでリーンウィズについて語られる機会というのはそう多くはなかったのではないかと思います。

それは前述したように「初歩的」「カッコ悪い」といった先入観があるからかも知れません。

このサイトでは、リーンウィズが他のフォームより劣っているわけではないということを証明してリーンウィズの復権(⁉)を目指したいと思います。

  1. 正しいフォームって?
  2. バイクの特性による違い
  3. ライディングポジション
  4. ブレーキング
  5. ステップ荷重
  6. スロットルワーク
  7. ニーグリップについて
  8. フェイントステア
  9. 目線と走行ライン
  10. 腹式呼吸と平常心
  11. タンデムランのコツ
  12. 暖機運転とストレッチ
  13. ブレーキの引きずり(2020年11月20日 追記)
  14. 走行ノート(2020年11月30日 追記)
  15. 精神のコントロール(2020年12月4日 追記)
  16. 尻荷重(2021年1月19日 追記)

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