暖機運転とストレッチ
バイクはとても繊細な道具です。
バイクを走らせる前には、暖機運転と身体のストレッチを必ず行いましょう。
まずエンジンをかけたら10分程度はアイドリングでエンジンを暖めます。冷え切っているエンジンの金属部分やエンジンオイル、冷却水を暖めるのが目的です。
その間に自分のウォーミングアップとして、簡単に各部のストレッチをします。
ストレッチのコツは、体を伸ばすとき息を吐きながら伸ばしていくことです。息を吐きながら伸ばすと筋肉が緩むので、より効果的にストレッチを行うことができます。この時の呼吸も腹式呼吸で行います。
伸ばす順番は、大きな関節から小さな関節の順で行います。まずニュートラルな体制で息を鼻からゆっくり吸い込み、ストレッチの体勢を作ったら『ゆっくりと肺の中の空気を吐ききるまで』(時間にして5秒程度)伸ばします。一か所伸ばしたらまたニュートラルな姿勢に一度戻り、息を吸いながら体勢を作って、吐きながら伸ばす、を繰り返します。
ではライダーにおススメしたい12種類のストレッチをご紹介します。
(写真左上から右へ)まずは手を組み真上に伸ばして背中を伸ばします。次に右足を左足の前に出してクロスさせて右に上体を曲げ左の体側を伸ばします。次は左足を前に出して左に上体を曲げ右の体側を伸ばします。
肩回りの筋肉は複雑に入り組んでいるため、いろんな方向へ入念に伸ばしていきます。まずは右手を上に上げ右の肘を左手で持ち引き寄せます。(同様に反対側も伸ばします)次は右腕を水平に伸ばして左肩の方へ持っていき左の手首で手前に引き寄せます。(反対側も同様に行います)次は右手を背中の後ろへ回し、左手で右手首を掴んで首を左に傾けて肩の上の方を伸ばします。(反対側も同様に)今度は後ろで手を組み、できるだけ水平になるように上げます。
前屈で腰を伸ばします。次は足を開いてお尻を落としていき、膝のあたりに手を置いたらまず右肩を前に入れていきます。このとき顔は左を見るようにするとより一層伸ばすことができます。(反対側も同様に行います)次は真っすぐ立って右足を曲げ左手でつま先を持ってフトモモの前側を伸ばします。(左足も同様に)アキレス腱は勢いをつけずにゆっくりと伸ばしていきます。この時上体を前に倒すようにするとさらに良く伸ばすことができます。(左右同じように行います)次は右手を前方に伸ばし手首を上方へ曲げて指先を左手で引くようにし、手首を伸ばします。今度は指先を下方に向けて手の甲を引くようにして手首の反対側を伸ばします。手を変えて左手も同様に行います。
最後に首を前後左右に伸ばします。まず前に曲げて両手を後頭部に添えて伸ばします。次に手を合わせアゴに両親指を添えて上に曲げます。右に傾け右手を左側頭部に添えてやり伸ばします。同様に左側も伸ばします。
エンジンと身体がしっかり温まったら、いよいよ走り出すことになりますが、家やガレージを出てから15分間、距離にして5キロ程度はスピードを上げずにゆっくりと走らせましょう。タイヤは温まらないと本来のグリップ力を発揮できませんし、サスペンションの中のオイルも摺動することによって温まらないと正常に機能することができません。またエンジンの内部(クラッチやミッションなど)もアイドリングだけでは温まっていないからです。
ゆっくり走らせながら、何かバイクに異常が無いか、身体のコンディションは良好かを確認し、徐々にペースを上げるようにしていってください。
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